2023年3月19日日曜日

理学療法士の語源

「理学」とは物理学や化学など自然科学のことを指し、「療法」とは治療のことを意味します。したがって、「理学療法」とは自然科学の知識を基に行う治療を意味します。

「理学療法士」の起源については、日本の医療制度が今よりもまだ発展途上であった戦後の混乱期に、日本人に匹敵する英語教育経験のあるリハビリスタッフが不足したため、アメリカの職名「Physical Therapist」から「物理療法士」という和訳が考案されました。しかし、物理学だけでなく、生物学や人体解剖学など広範な自然科学の分野が理学療法士の治療に必要であることが分かり、和訳が「理学療法士」に変更されました。

現在では、理学療法士は運動器の損傷や障害を改善し、日常生活での自立を促進するために、エクササイズやマッサージ、ストレッチ、電気刺激などの治療方法を用いて患者をサポートしています。

2023年3月15日水曜日

ストレッチングのメリットとデメリット

ストレッチには以下のようなメリットがあります。

1. 筋肉の柔軟性の向上: ストレッチは筋肉を伸ばすため、筋肉の柔軟性が向上することが期待できます。これにより、運動時のパフォーマンス向上や怪我のリスク軽減につながります。

2. 筋肉痛の緩和: 運動後に筋肉を伸ばすことにより、筋肉痛を軽減することができます。これは、筋肉に血流を促進することにより、筋肉の修復を促すためです。

3. ストレス解消: ストレッチはリラックス効果があるため、ストレス解消にも役立ちます。筋肉の緊張が和らぎ、心身ともにリラックスできます。

しかし、ストレッチには以下のようなデメリットもあります。

1. 過剰ストレッチによる怪我のリスク: 過剰なストレッチは筋肉や靭帯を傷める原因になることがあります。ストレッチを行う際には、自分の身体の限界を知り、無理なストレッチを避けるようにしましょう。

2. 運動前のストレッチは逆効果: 運動前に行う静的ストレッチは、筋肉の柔軟性を低下させ、パフォーマンスを低下させる可能性があります。運動前に行うストレッチは、ダイナミックストレッチのような動的なストレッチが効果的です。

3. 体によって効果に差がある: ストレッチは体によって効果に差があるため、自分に合うストレッチを見つけることが重要です。常に同じストレッチを行っていると習慣化し、効果が低下する可能性があります。

以上が、ストレッチのメリットとデメリットについての概要です。

2023年3月14日火曜日

プロテインの一日の必要摂取量

プロテインの一日の必要摂取量は、個人の体重や活動量によって異なりますが、一般的には体重1kgあたり1g以上を摂取することが推奨されています。

具体的には、例えば体重が60kgの場合、1日に60g以上のプロテインを摂取することが推奨されます。スポーツ選手やボディビルダーなど、運動を多く行う人は、より多くのプロテインを摂取することが必要とされています。

ただし、過剰摂取は健康リスクを引き起こす可能性があるため、バランスの良い食事と適度なトレーニングとともに、適切な摂取量を心がけることが重要です。

リハビリテーション医療の歴史

リハビリテーション医療は、19世紀末の世界恐慌がきっかけとなり、重度の障害者を支援するための社会ワークとして始まりました。初期のリハビリテーション医療は、障害者に対するカリスマ的なアプローチでした。

第一次世界大戦と第二次世界大戦後、多くの兵士が障害を持って帰国し、リハビリテーション医療がより重要になりました。この時期、物理療法と楽器療法が使用されるようになり、要介護の人々の日常生活能力を向上させ、自立した生活を送ることができるようになりました。

1960年代からは、医療技術の進歩により、神経学的リハビリテーションが始まりました。脳卒中のような神経系疾患を持つ人々は、リハビリテーション療法によってリハビリテーション治療を受け、日常生活の中で機能することができるようになります。

現代のリハビリテーション医療は、物理療法、理学療法、作業療法、言語聴覚療法、心理療法など多岐にわたる医療技術を用いることができます。これらの技術を駆使し、患者の生活質の向上や社会復帰支援などを目指すリハビリテーション医療は、多様化する障害や疾患に対応し、ますます重要性を増しています。

英語の最も効率の良い勉強方法は?

英語を学ぶための効率的な方法。

1.日常的に英語を使う環境を作る。英語が話せる友達や、英語の教授をする言語交換パートナーを見つけることができれば、それが最高です。

2.多くの英語の標準的な表現やフレーズを覚え、文法を習得する。学習者は文法の疑問点を解決するために教科書やオンラインの文法サイトを利用することができます。

3.英語音声で音楽を聴いたり、映画を見たり、英語のテレビ番組を楽しむ。耳に慣れることは言語を習得するのに非常に役立つため、英語の音楽や映画、テレビ番組を聴いたり見たりすることは重要です。

4.ネイティブスピーカーの英語を聞く機会を増やす。YouTube上には、多くのネイティブスピーカーが英語で様々な内容のビデオを投稿しています。学習者は、英語の視聴率の高いビデオを選び、ネイティブスピーカーが話す速度やアクセントを聞き込むことができます。

5.練習を積み重ねることが重要です。たくさんの音読、書き込みと練習をし、毎日少しずつでも英語の会話レベルが上がるよう努めてください。

総括すると、英語の効率的な学び方は多角的で、毎日の練習や英語の環境を作り上げることが重要です。


自重トレーニングのメリット

自重トレーニングにはいくつかのメリットがあります。

1.どこでもできる: 自重トレーニングは、ジムに行く必要がなく、どこでもすぐに始めることができます。このため、仕事の合間や旅行先でも簡単にトレーニングを行うことができます。

2.コアトレーニング効果: 自重を使ってトレーニングを行うことで、体幹筋を効果的に鍛えることができます。腹筋や背筋だけでなく、バランス感覚の向上にも役立ちます。

3.無酸素運動効果: 自重トレーニングは、有酸素運動と同様に心肺機能や筋力を向上させることができます。自重を使ってスクワット、ランジ、腕立て伏せ、チンアップなどのエクササイズを行うことで、カロリーの消費も促進されます。

4.負荷調整が簡単: 自重トレーニングは、自分の体重を使ってトレーニングを行うため、自分自身で負荷調整が可能です。体重を増減することで、簡単に負荷を調整することができます。

5.ケガのリスクが低い: 自重トレーニングは、機材を使うトレーニングに比べてケガのリスクが低いとされています。自分の体重を使ったトレーニングであるため、自分の力に合わせて行うことができ、無理をせずに継続的にトレーニングを行うことができます。

以上が、自重トレーニングのメリットになると考えます。

2022年9月6日火曜日

前鋸筋serratus anteriorの機能解剖、筋力強化

 筋力強化、機能解剖

前鋸筋は、肩甲骨を少し上方回旋させながら外転させる。投球動作時には大胸筋と一緒に働く。腕立て伏せの、肘を伸ばす最後の5-10°でよく働く。ベンチプレス、オーバーヘッドプレスで鍛えることができる。翼状肩甲は、前鋸筋の機能低下で生じる。


ストレッチ

壁に手のひらから肩がくっつくように立つ。その肩を前に出すように体幹を反対側にひねる。姿勢はなるべくまっすぐ。そのまま保持。


起始 第1−第9肋骨の外側

停止 肩甲骨の内側縁前方

神経 長胸神経(C5、6、7) 


From Wikimedia Commons, the free media repository


ベンチプレス


オーバーヘッドプレス

2022年9月5日月曜日

大菱形筋rhomboid major muscle、小菱形筋rhomboid minor muscleの機能解剖、筋力強化

筋力強化、機能解剖

肩jtが外転時に、肩甲骨を内転位に保つ。懸垂で力を発揮する。懸垂で菱形筋によって肩甲骨は下方回旋されつつ脊柱に引っ張られる。


ストレッチ

肩甲骨を下制したまま他動的に肩甲骨を外転させる。または上方回旋させながらストレッチ。


解剖

起始 第7頸椎から第1−5頸椎の棘突起

停止 肩甲骨の内側縁

神経支配 肩甲背神経(C5) 


From Wikimedia Commons, the free media repository


懸垂






2022年7月21日木曜日

肩甲挙筋Levator scapulaeの機能解剖、筋力強化

筋力強化、機能解剖

ショルダーシュラッグでは肩甲挙筋と僧帽筋が働く。

小胸筋によって肩甲骨が固定された場合、左右の肩甲挙筋が同時に働けば頸部が伸展する。

左右どちらか働けば、頸部は左右に側屈する


ストレッチ

頭部をストレッチする側とは反対側に45度回旋させ、頸椎を屈曲させる。


解剖

起始 第1から第4頸椎の横突起

停止 肩甲骨上角と肩甲骨内側縁上部

神経支配 肩甲背神経(C3-5)


     by Uwe Gille

ショルダーシュラッグ動画





2020年8月14日金曜日

僧帽筋trapeziusの機能解剖、筋力強化

僧帽筋 trapezius

ファンクショナルアナトミー

 僧帽筋は上部、中部、下部に分けられる。上部は鎖骨の引き上げに主に作用。中部は厚く力が強い。肩甲骨を挙上、内転、上方回旋。下部は肩甲骨を内転、上方回旋。3部分同時収縮で肩甲骨は上方回旋と内転を同時に実施。三角筋を助けるために肩甲骨を安定させる。僧帽筋が肩甲骨を上方回旋することでのみ、手を頭の上まで挙上することができる。また、重いものを持つときに肩甲骨が下へ引っ張られないようにする働きもある。

起始:(上部)後頭骨と項靭帯、(中部)第7頚椎と第1から3胸椎の棘突起、(下部)第4から12胸椎の棘突起

停止:(上部)鎖骨の外側後面1/3、(中部)肩峰内側縁と肩甲棘上縁、(下部)肩甲棘内端

神経支配:副神経、頚椎神経(C3,4)


エクササイズ

 ショルダーシュラッグ


ベントオーバーローイング


ベントオーバーサイドレイズ



From Wikimedia Commons, the free media repository


参照文献:

身体運動の機能解剖 Clem W. Thompson (著), R.T. Floyd (著), 中村 千秋 (翻訳), 竹内 真希 (翻訳)

カラー図解 筋肉のしくみ・はたらき事典 左 明  (著), 山口 典孝  (著), 石井 直方 (監修) 

2018年12月28日金曜日

脳卒中前の運動習慣が脳卒中の重症度に影響が与える


脳卒中前の運動習慣が神経保護効果にプラス?

Neurology. 2018 Oct 16;91(16)
Prestroke physical activity could influence acute stroke severity (part of PAPSIGOT).
脳卒中前の運動習慣が脳卒中の重症度に影響が与える

OBJECTIVE:
急性脳卒中の重症度に対する脳卒中前の運動習慣(PA)の影響を調べる。

METHODS:
初発脳卒中患者のデータは、横断的にカルテから検索された。変数は、PA、年齢、性別、喫煙、糖尿病、高血圧およびスタチン治療、脳卒中の重症度、心筋梗塞、入院中の新しい脳卒中、ストロークユニットでの入院治療の期間であった。 PAはSaltin-Grimbyの4レベルの身体活動レベル尺度で評価され、脳卒中の重症度は(NIHSS)で評価された。脳卒中の重症度を予測するためにロジスティック回帰分析を用い、PAおよび脳卒中の重症度を比較するために負の二項回帰を使用した。

RESULTS:
この研究には、平均年齢73.1歳の患者925人、女性45.2%が含まれていた。軽度または中等度のPAレベルの患者は、より若い年齢を予測因子として含むモデルにおいて、身体的にに不活性な患者と比較して、軽度の脳卒中(NIHSSスコア0〜5)を示す可能性が高かった(odds ratio = 2.02 for PA and odds ratio = 0.97 for age)。explanatory valueは6.8%に制限されていた。脳卒中前PAは軽度の脳卒中と関連しており、歩行4時間/週のような軽い運動、中等度のPA 2〜3時間/週のの両方が有益であると考える。身体的な不活動は、脳卒中の重症度の上昇と関連していた。

CONCLUSIONS:
この研究は、運動習慣(PA)および年齢が若いことが、脳卒中になった際に、より重症度の低い脳卒中をもたらしうることを示唆している。少なくとも4時間/週の歩行などの軽いPAと、2-3時間/週の中程度PAの両方が有益であると考える。


参考資料
*Saltin-Grimby Physical Activity Level Scale (SGPALS)
PHYSICAL ACTIVITY AND EXERCISE

あなたは余暇の間にどれだけ動いて体を動かしますか?
夏と冬などで活動が大きく異なる場合は、平均。質問は昨年のことです。

1.身体的に活動していない
余暇の間、読書、テレビを見ること、映画を見ること、コンピュータを使うこと、または他の座りがちな活動をすること。

2.いくつかの軽い身体活動
自転車に乗る、仕事に行く、家族と歩く、ガーデニング、釣り、卓球、ボーリングなど、週に少なくとも4時間は身体的に活動的。

3.定期的な身体活動とトレーニング
週に2〜3時間は、ガーデニング、ランニング、水泳、テニス、バドミントン、体操などの活動。

4.競技スポーツのための定期的なハードトレーニング
週に数回ランニング、オリエンテーリング、スキー、水泳、サッカー、ハンドボールなどをして過ごす。

URL
http://n.neurology.org/content/91/16/e1461

2018年2月15日木曜日

スマホアプリを使用して糖尿病重症化予防を目指す。

2型糖尿病に対する遠隔医療研究の紹介です。
治療の脱落をスマホアプリで予防する試みです。

2型糖尿病の初期はとくに表にでる症状が緩やかであるため、治療の継続を疎かにしてしまう患者さんがいます。

病気進行の予防が期待できるでしょう。

さらに通院を継続的に行うことも患者サイド、医療サイドともにコスト増になることがあるでしょうから、その点についても少し緩和することが期待できそうです。

導入当初の患者教育については今後一層、重要になっていくでしょう。

将来的には、このような予防的な実践をしていない患者であれば、民間の医療保険では何かコストを余分に払わなければならないようになるかもしれません。(公的なものにまで広がっていく?)

ーIoT活用による糖尿病重症化予防法の開発を目指した研究ー
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/327441/012200294/?ST=health&n_cid=nbptec_tectw

2018年2月14日水曜日

「頭部移植を行った」、、、その後の理学療法など

中国で、イタリア医師が「頭部移植を行った」とのニュースが以前にありました。

その後、手術は成功(?)したが、非常に残念なことに患者さんは他界されたと聞きました(実際にはご遺体の頭部と、他のご遺体の身体の移植手術だったとの報道もあります)。

現在の医療では自分の脊髄であっても一度大きな損傷を負うと完全には戻りません。ましてや離断となるとその髄節以下の神経領域は完全麻痺になる状態は変わりません。

頭部移植手術でもし、その後生存できたとしても運動能力は回復しなかったでしょう(この医師は接続部に使用する新素材が期待できるとしています)。

しかし、再生医療、ブレインマシンインターフェイスなどのディバイスが高度に発展した未来では選択肢になるのでしょうか?

リハビリテーション医療、理学療法士、作業療法士なども活躍の場がありそうです。

そうはいってもやはり、技術的にも、倫理的にも他人の身体を完全に移植するのは難しいでしょう。

自分の完全クローンを作って、、、現在の倫理観からみると怖い話です。

:世界初・人間の「頭部移植手術」成功、その後…!頭部切断後に躰は動くのか? http://tocana.jp/2018/02/post_15929_entry.html @DailyTocanaから

2018年2月13日火曜日

AIやロボット等の新しい技術は人間の能力を拡張する。

招待メールが来て購入したAmazon echoを約2カ月使用しました。

気軽に音楽を聴くことがとても増えました。ニュース、天気予報、タイマー、グーグルスケジュールの確認辺りを使っています。我が家にある家電で現時点でAmazon echoを通しての音声操作に対応しているのはルンバだけです。

音声で家電等を動かすという技術は簡単で、間違いなく多くの商品に搭載されていきそうです。たくさんのコントローラーを管理しなくてもよくなるでしょう。

料理等で手が塞がっている時などは特に大活躍します。恐らく車の運転中なんかにもAlexaなどの音声操作の新しい技術は親和性が高いでしょう。

音声操作を通して、新しいテクノロジーは人間能力を拡張するということの1ケースを感じています。

AIやロボットは、健康な人だけでなく、とくに身体に障害を持った人にとって今以上に飛躍的に役に立つ時代が来そうです。


I got an invitation email from Amazon, and I used Amazon echo I bought for about 2 months.

I feel like listening to music very much. I am using the functions around checking news, weather forecast, timer, Google schedule. At home appliances in our home, at the moment only Roomba is compatible with voice operations via Amazon echo.

I think that the technology of moving household appliances etc. Voice operations is easy and it is likely to be installed in many products. We will not have to manage a lot of controllers.

Amazon echo is particularly useful when cooking etc. When my hands are blocked. Even while driving a car, new technologies such as Alexa will be useful to us.

Through this voice manipulation, I feel that one case of extending new technology to human capabilities.

AI and robots are likely to be useful not only for healthy people, but also for people with physical disabilities in particular, more than ever.

2018年2月12日月曜日

脳梗塞の重症度ーとくに心原性脳梗塞について

脳梗塞の重症度

脳梗塞はラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞の3つに大きく分けられる。

ラクナ梗塞は時代とともに改善している。

アテローム血栓性脳梗塞と心原性脳梗塞の予後は不良でありとくに心原性脳梗塞は極めて不良。

心原性脳梗塞は血栓溶解療法の適応にならないことが多い。

心原性脳梗塞の75%で心房細動の合併がある。

心房細動例で心原性脳梗塞のリスクがある患者には発症予防のための方策が重要。


参照文献
奥村 JPN.J.ELECTROCARDIOLOGY Vol.31 No.3 2011

2018年2月11日日曜日

冬は脳卒中のリスクが高いのか?

冬はCVAの発生が増えるのか?
今年の冬はとても気温が低いです。


脳卒中の発生は、冬に起きやすいとも言いますが、実際にはどのような結果でしょうか。
すこし古いデータですが、豊田氏の論文(脳卒中33:226~235,2011)を読みました。


症例数約46000人を分析した結果では、

○脳出血の発症は冬に多い。
○クモ膜下出血は夏少なく秋から冬に多い。
○脳梗塞は全体としては季節性なし。
○ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞では7月に多く、1月に再度多いという2つのピークがある。
○心原性脳塞栓では冬に多い。


上記のように病型によって少し異なる結果のようでした。
いづれにしろ脳卒中が起こるのは気温が大きい影響があるということですので、温度管理や水分補給などを心がけることがリスクを下げることに繋がるのでしょう。

2018年2月10日土曜日

気温が低いと脳卒中後遺症の痙性による筋緊張は高まる

例年以上に寒い冬です。身体が冷えると脳卒中後遺症の痙性による筋緊張は高まるという研究の紹介です。このことは経験的にも納得する結果です。非麻痺側手を温めることで麻痺側肘伸張がしやすくなったとの結果も出ていて興味深いです。

タイトル:
痙性による筋緊張が高い脳卒中患者の反射および非反射成分に対する冷刺激の異なる反応

目的:
寒さと熱刺激に対して、麻痺のある肘屈筋からの反射および非反射応答を定量化する。

方法:
13例の脳卒中患者の痙縮のある肘関節を、2つの速度(5°/ sおよび100°/ s)で50°伸長。熱刺激(熱痛閾値でHEAT、0℃でCOLD、または室温でBASELINE)を少なくとも30秒間伸張する直前に反対側の手に適用。

結果:
総トルクは100°/ sで5°/ sでよりも大きかった。総トルクは、BASELINEと比較して、COLD後に有意に増加、HEATでは有意に増加しなかった。BASELINEでトータルトルクに正規化した場合、HEATは合計トルクを6.3%減少させ、COLDは合計トルクを11.0%増加。 3つの熱的条件の間で反射トルクに有意差はなかった。

結論:
今回の結果は寒冷刺激が痙縮の全抵抗に及ぼす効果を示す。寒冷による筋緊張の増加の客観的証拠を提供している。

Front Neurol. 2017 Apr 28;8:169.
Different Effects of Cold Stimulation on Reflex and Non-Reflex Components of Poststroke Spastic Hypertonia.
Li S、Shin H、Zhou P、Li X。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28503163

2018年2月9日金曜日

麻痺側上肢に、非麻痺側第7頸神経をつなぐ手術について

慢性の脳卒中患者の麻痺側上肢に対する外科的手術の研究ですが、内容に驚きました。

この発想も凄いと思いますが、実際に臨床試験まで漕ぎ着ける行動力が驚きです。

結果は良好とのことですが、日本でも行われるようになる手術でしょうかね?

中国での研究とのことですが、このような研究を数十人の対象者に行ない、対照群と比較してトップジャーナルまでに掲載できるのはなかなか日本では辿り着けそうにない気がします。

いづれにしろ、もし本当に副作用が軽微で、効果が顕著であれば、患者さんの選択肢の一つになることはあっても良いかもしれません。

日経メディカルの記事です。
~
片麻痺患者の両方のC7を切断し、麻痺側に向かうC7神経につなぐ治療の有効性と安全性を評価する臨床試験。
手術介入群はリハビリテーションのみの対照群よりも12カ月後の麻痺が軽減していた。C7を切断された側の上肢には痺れなどの出現があったが、その後、軽減したとのこと。
~
麻痺側上肢に、非麻痺側第7頸神経をつなぐ手術の有効性を検討。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/201801/554451.html

2018年2月8日木曜日

上腹部手術前に呼吸理学療法を実施することは肺合併症の発生を半減させる

多施設共同プラセボ対照無作為化試験にて検証し、エビデンスレベルの高い研究。

日本でも、この論文を紹介することで、術前の呼吸理学療法教育の必要性を理学療法士自身にも、他医療スタッフにも理解できそうです。

しっかりとした呼吸理学療法の方法を行うことのできるようにし、上腹部手術患者の術前に広く行う体制が確立できるように期待します。

このことで患者の円滑な回復、死亡率の低下、医療費の抑制が期待できます。

~
術前の呼吸理学療法教育で肺合併症が半減/BMJ
http://www.carenet.com/news/journal/carenet/45466

交通量の多い道路でのウォーキングは呼吸機能に悪影響を与える

COPD患者と虚血性心疾患を持つ方は大気汚染レベルが高い道路を2時間ウォーキングすると呼吸機能に悪影響を与えるとのLancet誌の論文。

理学療法士が、患者等に自主トレーニングを指導する際は、多くウォーキングを含むと思います。

ウォーキングの時間。速度。歩容などの指導はすることはあっても、大気汚染レベルまで配慮することはできていないこともあるかと思います。

とくに呼吸器疾患、虚血性心疾患を有する患者には、どのルートをどのようにウォーキングするか、交通量を含む空気の清浄さなども検討することが必要ですね。

~
Lancet誌から車の多い道でのウォーキングは避けるべきCOPD患者は悪影響が特に大きい

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/lancet/201712/554182.html